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蝶理とサンゲツの違い

年収・残業・稼ぎ方・歴史を、有価証券報告書と公的データで比べました。専門商社の会社選びや、両社の面接を受けるときの企業研究に。

3行でいうと

  • 30歳に換算した年収は蝶理が約839万円、サンゲツが約662万円。蝶理のほうが約177万円高い。
  • 売上高は蝶理が2,993億円、サンゲツが2,064億円で、蝶理が約1.4倍の規模。
  • 売上に対する利益の割合は蝶理が4.7%、サンゲツが9.8%で、サンゲツのほうが稼ぐ力が強い。

数字で比べる

蝶理サンゲツ
働きやすさの点数70.6点(⁠A+)66.3点(⁠A)
平均年収1,036万円(⁠39.7歳)788万円(⁠38歳)
30歳換算年収約839万円約662万円
月の平均残業15.7時間未公表
有給取得率未公表未公表
平均勤続年数13.2年15.3年
売上高2,993億円2,064億円
売上に対する利益の割合4.7%(⁠経常利益)9.8%(⁠経常利益)
売上の4年の伸び1.05倍1.38倍
従業員数(⁠単体)391人1,345人

点数・年収・残業・有休・勤続は女性の活躍推進企業データベースと有価証券報告書、売上・利益・従業員数は有価証券報告書(⁠EDINET)から。30歳換算年収は平均年齢の違う会社を比べるための目安(⁠平均年収÷1.022^(⁠平均年齢−30))。持株会社は本社の少人数の数字なので、事業会社と並べるときは注意。

  • 売上の4年の伸びは蝶理が1.05倍、サンゲツが1.38倍で、勢いはサンゲツが上。
  • 当サイトの働きやすさの点数は蝶理が70.6点、サンゲツが66.3点で、蝶理が上回る。

何で稼いでいるかの違い

蝶理

蝶理は、繊維、化学品、機械などを扱う商社です。東レの連結子会社です。1861年に京都・西陣で生糸問屋として創業し、1948年に蝶理株式会社を設立しました。

売上は化学品(⁠約51%)と繊維(⁠約49%)でほぼ半分ずつです。中期経営計画では、繊維事業は衣料分野の垂直統合型バリューチェーンの確立、化学品事業は各分野のNo.1商材・ビジネスの強化を掲げています。

サンゲツ

サンゲツは、壁紙、床材、カーテン・椅子生地などのインテリア商材を企画・販売し、壁紙の製造や内装の設計・施工、門扉・フェンスなどのエクステリアも手がける会社です。1849年に表具師が名古屋で「⁠山月堂」を創業したのが始まりで、1953年に株式会社になりました。

売上の約80%が国内インテリアセグメント(⁠壁装材・床材・ファブリックの販売、空間の設計・施工)で、セグメント利益率は約12%です。

この業界の稼ぎ方の基本

  • 専門商社は、特定の分野に軸足を置く商社です。鉄鋼(⁠阪和興業、神鋼商事、岡谷鋼機)、化学品・繊維(⁠長瀬産業、稲畑産業、蝶理)、エレクトロニクス(⁠加賀電子、トーメンデバイス、レスター)、医薬品(⁠スズケン)、エネルギー(⁠岩谷産業、カメイ)、貴金属リサイクル(⁠松田産業)などがあります。
  • 売上に対する利益の割合が薄い会社が多くあります。経常利益で比べると、スズケン約1.6%、神鋼商事約1.8%、阪和興業約2.0%で、大きな量を扱って稼ぐ構造です。
  • 特定のメーカーとの結びつきが強い会社もあります。神鋼商事は神戸製鋼所グループが議決権の35.9%を持ち仕入れの38.6%が同社から、蝶理は東レの連結子会社、トーメンデバイスは仕入れの82.7%がサムスングループからです。
  • 長瀬産業(⁠1832年、京都西陣)、蝶理(⁠1861年、京都西陣)、稲畑産業(⁠1890年、京都)は、いずれも京都の染料や生糸の商いから始まりました。

会社を見分ける軸

  • 売買だけか、つくる機能もあるか:長瀬産業は製造機能を注力領域にし、因幡電機産業は自社ブランドの空調部材をつくり、松田産業は貴金属を自社で製錬し、加賀電子はEMS(⁠受託生産)を行っています。自社製品を持つ因幡電機産業の経常利益率は約7.6%で、経常利益を開示するこのグループの会社の中で最も高くなっています。
  • 仕入先・親会社との関係:特定のメーカーからの仕入れが多いほど、そのメーカーの戦略や製品の動きに業績が左右されます。
  • 何の価格で業績が動くか:松田産業は貴金属価格、トーメンデバイスはメモリ価格、岩谷産業はLPガスの輸入価格、スズケンは国が毎年改定する薬価の影響を受けます。
  • 利益はどの事業で出ているか:兼松は売上最大の食料より、ICTソリューションと電子・デバイスで利益の6割強を稼ぎます。売上の大きさと利益の大きさは一致しないことがあります。このほか、サンゲツ約9.8%(⁠経常利益)です。

歴史の違い

蝶理

  1. 1861年京都西陣で生糸問屋として創業します。
  2. 1926〜1937年人絹糸の取り扱いを始め、人絹糸生産量の30%を扱う大手糸商になります。
  3. 1948〜1953年蝶理株式会社を設立し、合成繊維の取り扱いと、東洋レーヨンのウーリーナイロンの一手販売を始めます。
  4. 1961年中国から友好商社第一号に指定され、日中貿易のパイオニアになります。

サンゲツ

  1. 1849年表具師が名古屋で「⁠山月堂」を創業します。
  2. 1953年個人商店の山月堂を株式会社にします。
  3. 1970年社名をサンゲツに変え、名古屋に初のショールームを開きます。
  4. 1996年東京証券取引所市場第一部に上場し、米国に子会社を設立します。

いま何に賭けているか

蝶理

中期経営計画「⁠Chori Innovation Plan 2028」では「⁠専門性×グローバル×事業投資」を基本方針とし、成長余地の大きい海外事業の強化・拡大に注力するとしています。2027年3月期は売上高3,200億円、営業利益145億円を予想しています。ありたい姿は「⁠選ばれ続ける商社」です。

サンゲツ

1960年以来の社是「⁠誠実(⁠INTEGRITY)」を「⁠中期経営計画 2029」のスタートに合わせて改めて掲げています。インテリア事業に続く収益の核となる事業を育てることを重要な課題にしています。

どちらを選ぶかの目安

  • 伸びている事業で任される範囲を広げたいなら、売上の伸びが大きいサンゲツ。
  • 業績の安定を重視するなら、利益率の高いサンゲツのほうが景気の波に強い。

よくある質問

蝶理とサンゲツはどちらが年収が高い?
30歳に換算した年収は蝶理が約839万円、サンゲツが約662万円。蝶理のほうが約177万円高い。
蝶理とサンゲツはどちらが働きやすい?
当サイトの働きやすさの点数は蝶理が70.6点、サンゲツが66.3点で、蝶理が上回る。点数は残業・有休・年収・勤続などの公的データから計算したもの。

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