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阪和興業とサンゲツの違い

年収・残業・稼ぎ方・歴史を、有価証券報告書と公的データで比べました。専門商社の会社選びや、両社の面接を受けるときの企業研究に。

3行でいうと

  • 30歳に換算した年収は阪和興業が約850万円、サンゲツが約662万円。阪和興業のほうが約188万円高い。
  • 売上高は阪和興業が2.66兆円、サンゲツが2,064億円で、阪和興業が約12.9倍の規模。
  • 売上に対する利益の割合は阪和興業が2.0%、サンゲツが9.8%で、サンゲツのほうが稼ぐ力が強い。

数字で比べる

阪和興業サンゲツ
働きやすさの点数70.7点(⁠A+)66.3点(⁠A)
平均年収998万円(⁠37.4歳)788万円(⁠38歳)
30歳換算年収約850万円約662万円
月の平均残業未公表未公表
有給取得率未公表未公表
平均勤続年数11.3年15.3年
売上高2.66兆円2,064億円
売上に対する利益の割合2.0%(⁠経常利益)9.8%(⁠経常利益)
売上の4年の伸び1.23倍1.38倍
従業員数(⁠単体)1,820人1,345人

点数・年収・残業・有休・勤続は女性の活躍推進企業データベースと有価証券報告書、売上・利益・従業員数は有価証券報告書(⁠EDINET)から。30歳換算年収は平均年齢の違う会社を比べるための目安(⁠平均年収÷1.022^(⁠平均年齢−30))。持株会社は本社の少人数の数字なので、事業会社と並べるときは注意。

  • 売上の4年の伸びは阪和興業が1.23倍、サンゲツが1.38倍で、勢いはサンゲツが上。
  • 当サイトの働きやすさの点数は阪和興業が70.7点、サンゲツが66.3点で、阪和興業が上回る。

何で稼いでいるかの違い

阪和興業

阪和興業は、鉄鋼製品を中心に、ニッケルなどのプライマリーメタル、アルミ・銅などのリサイクルメタル、水産物などの食品、エネルギー・生活資材を扱う大阪の商社です。1947年に大阪で、主に鉄鋼製品を扱う卸売業として設立されました。

売上の約41%が鉄鋼事業で、条鋼、鋼板、特殊鋼、鋼管などの販売に加え、加工や保管も行っています。セグメント利益の半分以上を鉄鋼事業で稼いでいます。

サンゲツ

サンゲツは、壁紙、床材、カーテン・椅子生地などのインテリア商材を企画・販売し、壁紙の製造や内装の設計・施工、門扉・フェンスなどのエクステリアも手がける会社です。1849年に表具師が名古屋で「⁠山月堂」を創業したのが始まりで、1953年に株式会社になりました。

売上の約80%が国内インテリアセグメント(⁠壁装材・床材・ファブリックの販売、空間の設計・施工)で、セグメント利益率は約12%です。

この業界の稼ぎ方の基本

  • 専門商社は、特定の分野に軸足を置く商社です。鉄鋼(⁠阪和興業、神鋼商事、岡谷鋼機)、化学品・繊維(⁠長瀬産業、稲畑産業、蝶理)、エレクトロニクス(⁠加賀電子、トーメンデバイス、レスター)、医薬品(⁠スズケン)、エネルギー(⁠岩谷産業、カメイ)、貴金属リサイクル(⁠松田産業)などがあります。
  • 売上に対する利益の割合が薄い会社が多くあります。経常利益で比べると、スズケン約1.6%、神鋼商事約1.8%、阪和興業約2.0%で、大きな量を扱って稼ぐ構造です。
  • 特定のメーカーとの結びつきが強い会社もあります。神鋼商事は神戸製鋼所グループが議決権の35.9%を持ち仕入れの38.6%が同社から、蝶理は東レの連結子会社、トーメンデバイスは仕入れの82.7%がサムスングループからです。
  • 長瀬産業(⁠1832年、京都西陣)、蝶理(⁠1861年、京都西陣)、稲畑産業(⁠1890年、京都)は、いずれも京都の染料や生糸の商いから始まりました。

会社を見分ける軸

  • 売買だけか、つくる機能もあるか:長瀬産業は製造機能を注力領域にし、因幡電機産業は自社ブランドの空調部材をつくり、松田産業は貴金属を自社で製錬し、加賀電子はEMS(⁠受託生産)を行っています。自社製品を持つ因幡電機産業の経常利益率は約7.6%で、経常利益を開示するこのグループの会社の中で最も高くなっています。
  • 仕入先・親会社との関係:特定のメーカーからの仕入れが多いほど、そのメーカーの戦略や製品の動きに業績が左右されます。
  • 何の価格で業績が動くか:松田産業は貴金属価格、トーメンデバイスはメモリ価格、岩谷産業はLPガスの輸入価格、スズケンは国が毎年改定する薬価の影響を受けます。
  • 利益はどの事業で出ているか:兼松は売上最大の食料より、ICTソリューションと電子・デバイスで利益の6割強を稼ぎます。売上の大きさと利益の大きさは一致しないことがあります。このほか、サンゲツ約9.8%(⁠経常利益)です。

歴史の違い

阪和興業

  1. 1947年大阪で、主に鉄鋼製品を扱う卸売業として設立します。
  2. 1968〜1976年米国、香港、シンガポール、タイに会社をつくります。
  3. 2000〜2002年阪和エコスチールや阪和スチールサービスを設立し、流通センターを再編します。
  4. 2007〜2014年国内外の会社の株式を次々に取得し、グループを広げます。

サンゲツ

  1. 1849年表具師が名古屋で「⁠山月堂」を創業します。
  2. 1953年個人商店の山月堂を株式会社にします。
  3. 1970年社名をサンゲツに変え、名古屋に初のショールームを開きます。
  4. 1996年東京証券取引所市場第一部に上場し、米国に子会社を設立します。

いま何に賭けているか

阪和興業

「⁠中期経営計画2028」は『⁠Go Beyond ~殻を打ち破れ~』をテーマに、最終年度に経常利益750億円、ROE12.0%以上、グローバル鉄鋼取扱重量1,700万トンを目標にしています。国内事業で培ったキャッシュ創出力を基盤に、海外ではM&Aを含む投資で事業基盤を広げるとしています。「⁠サプライチェーン創造型商社」を目指しています。

サンゲツ

1960年以来の社是「⁠誠実(⁠INTEGRITY)」を「⁠中期経営計画 2029」のスタートに合わせて改めて掲げています。インテリア事業に続く収益の核となる事業を育てることを重要な課題にしています。

どちらを選ぶかの目安

  • 伸びている事業で任される範囲を広げたいなら、売上の伸びが大きいサンゲツ。
  • 業績の安定を重視するなら、利益率の高いサンゲツのほうが景気の波に強い。

よくある質問

阪和興業とサンゲツはどちらが年収が高い?
30歳に換算した年収は阪和興業が約850万円、サンゲツが約662万円。阪和興業のほうが約188万円高い。
阪和興業とサンゲツはどちらが働きやすい?
当サイトの働きやすさの点数は阪和興業が70.7点、サンゲツが66.3点で、阪和興業が上回る。点数は残業・有休・年収・勤続などの公的データから計算したもの。

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